観葉植物の置き場所(光量について)

観葉植物を育てていく上で日光の存在は必要不可欠です。

どの植物も種類により差はあれど、日照量が不足すると元気がなくなり、しまいには枯れてしまいます。

個々の観葉植物に関してどの位の明るさが適しているかは、植物の原産地の環境と大きく関係してきます。

開けた地域に生育する植物は日照量を好む性質があり、逆に熱帯雨林などの環境で生育していた植物は、耐陰性に優れていて多少暗いところでも元気に育ちます。

これらの日照量の条件により、観葉植物の置き場所も様々に考える必要があります。

光量が少なすぎる時に現れる症状 光量が多すぎる時に現れる症状
  • 葉色が薄く、小さく貧弱になる。
  • 葉の厚みが薄くなる。
  • 葉柄(葉と幹との間の部分)が長くなる。
  • 斑入りの部分の色が緑色になる。
  • 斑が入らなく(少なく)なってくる
  • 節間(葉と葉の生える茎の部分)が長くなり弱弱しくなる。
  • 下葉が黄色くなって枯れ落ちる。
  • 葉の表面が白っぽくしなびたように少し枯れる。
  • しなびたような茶色いシミができる。
  • 葉が緑色のまま乾燥したように枯れる。
  • 日中になると葉が萎れる。
  • 葉色が薄くなったり、黄ばんだりして褪せてくる。

観葉植物と光の関係を考えるうえで大事なのが、日の当たる時間の長さと光の強さの両方を考える必要があります。

観葉植物が元気に成長を維持すすためには、おおよそ12時間程度です。これよりも日の当たる時間が短くなってくると成長が鈍ったりします。
最低でも4〜5時間は日の光やそれを補う照明等の光が当たる環境に置くようにしましょう。

次に光の強さですが、植物の種類により様々あります。
日当たりを好む種類を暗い場所で育てると徒長して元気が無くなり形が崩れ、しまいには枯れてしまいます。

逆に半日陰を好む植物を直射日光下に曝すと、葉焼け、水分蒸散等で一気に枯れてしまう場合もあります。

それぞれおく場所の日当たり具合を考えて、明るいリビングや窓際、ベランダやポーチなどの場合は、強い光を好む植物。
逆に部屋の北側や玄関、洗面所などのあまり明るくないところには耐陰性の強い植物を選ぶ必要があります。


なお、程度にもよりますが極端に暗い場所では植物は生育できません。

あまり明るくない場所で育てる場合には植物を時々明るい場所に置くようにすることで長く鑑賞できるようになります。

このような場合は明るい場所と暗い場所をローテーションで育てて行くのも方法です。

また、観葉植物は、一般家庭の日照量で育つように生産者の温室やビニールハウスでは遮光をして育てられているケースが多いです。
このため、植物をいきなり強い直射日光などに晒すと葉焼けを起こしてしまう場合がありますので注意が必要です。
同様に暗い部屋などで育てていた植物をいきなり日の当る場所に移動をすると葉焼けの原因になりますので注意が必要です。

このような場合は、植物の置き場所の2,3週間程度の時間をかけて徐々に明るい場所に移動させ慣れさせることで葉やけを抑えることができます。

逆に戸外の直射日光を浴びて育てられた植物も同様にいきなり暗い場所い移動をすると元気がなくなってしまいますので徐々に慣れさせる必要があります。

その他、夏場の太陽は光量は強いですが日が高いために冬場に比べて窓などから入る光が浅くなってしまいます。(陽の光が部屋の奥まで届かないケースがあります。)

このため、部屋の奥にある植物に日が当たらなくなり調子を崩す場合もありますので注意が必要です。
また、植物を室内に置かれて育てている場合、陽の光が一方方向からしか入らないケースがあります。
植物は光の差す方向に向かって成長をする性質があるため、長い期間そのままで育てていると樹形が崩れて観賞価値が下がってしまうことがあります。室内に置く場合は時折植物の向きを変えてあげるとよいでしょう。 

明るさの目安と適した植物

日なた:沢山光が当たる場所。南向き〜西向きのガラス戸や窓のすぐそばなど

強い直射日光があたる場所なので日光に連続して当てても耐えられる植物を選びます。または、ゴムノキやシェフレラ、ヤシ類などは徐々に明るい場所に移動をして強い光に慣れさせるようにしましょう。真夏の強い直射日光が当たるのでレースのカーテンなどで遮光をするとよいです。

アガベ、サンスベリア、サボテン、多肉植物、ゴムノキ類、シェフレラ類、フェニックス・ロベレニー、ココヤシ、ユッカ、ストレリチア、オーガスタ、コルリジネ、ブーゲンビレア、ゲッキツなど 


直接日光が入る場所:東〜西側の窓の近くなど

直射日光の入る東向き〜西向きの出窓の上や窓のそばなどの明るい場所は、多くの観葉植物にとって最適な場所です。ただし、真夏の直射日光にはブラインドなどである程度遮光したり、充分に光に慣れさせるようにします。

フィカスウンベラータ、ベンジャミン、アルテシーマ、ゴムノキ類、サンスベライ、ブラッサイア、ツピダンサス、タイワンモミジ、シェフレラ類、アレカヤシ、ケンチャヤシ、ヤシ類、オーガスタ、ドラセナ類、クワズイモ、セロームなど


直接日光の入らない場所:光の入るまどから少し離れた場所

直射日光の入る明るい窓から1,2メートル程度離れた明るい場所。やや日陰を好む植物から日当たりを好む植物まで幅広く置くことができます。

アンスリウム、モンステラ、オリヅルラン、エバーフレッシュ、ポリシャス、ディフェンバキア、ディジゴシカ、アイビー、サンスベリア、ゴムノキ、ドラセナ類、アロカシア、ペペロミア、フィロデンドロン、カラテア、スパティフィラムなど


半日陰:光の入るまどからやや離れた場所

日の入る窓から2,3メートルほど離れた場所や日の入らない窓のそばなど、やや日陰を好む種類などの植物です。
また、上記の「直接日光の入らない場所」の植物の大半も育てることができます。

オグラオネマ、ハラン、アナナス、カラテア、アンスリウム、モンステラ、オリヅルラン、エバーフレッシュ、ポリシャス、ディジゴシカ、アイビー、ペペロミア、ポトス、カラテア、スパティフィラムなど


日陰:窓から離れた場所

窓まら離れた日陰の場所(日中は書籍などの文字は読める程度の明るさが必要。)光を必要とする植物にとっては厳しい環境ですのであまり、置ける種類は少ないです。
植物の中でも日陰を好むタイプを選ぶか、耐陰性の強い種類を選んで時々明るい場所で日光浴をさせましょう。

アグラオネマ、ハラン、ポトス、タニワタリ、アジアンタムなど(耐陰性の強い種類:サンスベリア、ヘデラ、シュロチクなど)


暗い場所:光があまり入らない場所

植物を育てるには適していません。 日陰を好むタイプを選ぶか、耐陰性の強い種類を一時的に置く程度にとどめましょう。 または、スポットライトなどの補助光を用いて、日陰を好む種類や耐陰性の強い植物を置いてください。

※ 半日陰以上の植物を置くためには、メタルハライドライトなどの強い光が必要です。 (通常のスポットライト程度では光量が足りない為に半日陰以上の植物を置くことはできません)

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